○高原町河川愛護条例

平成6年4月1日

条例第12号

目次

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 河川の汚濁の防止(第7条―第13条)

第3章 水質検査(第14条)

第4章 河川浄化対策等推進本部等(第15条・第16条)

第5章 雑則(第17条―第22条)

附則

川は、人間の命の源である。

川は、悠久のときの流れの中で変わることなく私達に幾多の恵みを与え、私達の郷土に固有の風土と文化を育み、産業経済の礎となって歴史をはぐくんできた。

しかしながら、近年における科学技術の進歩は、私達に豊かな生活をもたらしてきた反面、生活様式の多様化の中で地域環境にも多くのひずみを招来してきた。

とりわけ、河川の環境はここにきて急速に悪化の傾向を示し、霧島山系から湧き出た清流でつくる川が、年を追うごとにその輝きを失ってきている。

このまま放置すれば、将来に大きな悔恨を残しかねない。

私達は今、失いかけている水を大切にする心と川を愛する心を喚起するとともに、町民ひとりひとりの貴重な財産である河川の清流を守り、次代に引き継ぐことが、私達に課せられた重大な責務であることを深く認識しなければならない。

ここに、高原町民の英知と総力を結集して、河川の清流を守ることを宣言し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目標)

第1条 この条例の目標は、河川が町民の生活、文化、産業及び経済において果たすべき重要な役割に鑑みて、町、町民及び事業者が河川浄化及び河川愛護の推進に努め、もって美しく豊かな河川環境の形成を図ることにあるものとする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 河川 河川法(昭和39年法律第167号)第3条の河川又は同法第100条の河川及びこれらに接続する湖沼、公共溝きょ、かんがい用水路その他の公共の用に供される水路をいう。

(2) 生活排水 炊事、洗濯、入浴等の町民の生活に伴い排出される水をいう。

(3) 事業排水 事業活動に伴い排出される水をいう。

(4) 浄化装置等 排出水の浄化に有効な装置及び器具をいう。

(町の責務)

第3条 町は、第1条の目標を達成するため、総合的な施策を策定し、その実施に努めなければならない。

(町民の責務)

第4条 町民は、第1条の目標の達成に寄与するように努めるとともに、町が実施する施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、第1条の目標の達成に寄与するために必要な措置を講ずるとともに、町が実施する施策に協力しなければならない。

(相互協力)

第6条 町、町民及び事業者は第1条の目標を達成するために相互に協力し、連携しなければならない。

第2章 河川の汚濁の防止

(生活排水による汚濁防止施策の推進)

第7条 町は、生活排水による河川の汚濁の防止に必要な施策を計画的に推進するものとする。

(生活排水の処理等)

第8条 町民は、生活排水を河川に排出しようとするときは、浄化装置等を設置して排出するよう努めなければならない。

2 町民は、浄化装置等が常に有効に機能するように、点検及び管理を行わなければならない。

(事業排水の処理)

第9条 事業者は、事業排水を河川に排出しようとするときは、法令に定められた基準によるよりも河川の汚濁の低減に資する設備により処理した上で排出するように努めるとともに、可能な場合には再生等の方法により当該事業排水を河川に排出しないように努めるものとする。

(行為の禁止)

第10条 何人も、ごみの投棄等みだりに河川の汚濁を招く行為をしてはならない。

(調理くず等の適正処理等)

第11条 何人も、調理くず、廃食用油等を適正に処理し、並びに無リン洗剤及び石けんを適正に使用することにより、河川の汚濁の防止に努めなければならない。

(肥料又は農薬の適正使用)

第12条 何人も、肥料又は農薬を使用するときは、これらを適正に使用し、河川の汚濁の防止に努めなければならない。

(家畜等のふん尿の適正処理)

第13条 家畜等の動物を飼育する者は、動物のふん尿が河川に流出しないよう、処理施設の設置、土壌への還元等の方法により、動物のふん尿の適正な処理に努めなければならない。

第3章 水質検査

(水質検査)

第14条 町は、河川の水質検査を定期的に実施し、その結果を町民に公表するものとする。

2 町は、前項の検査結果に異常が認められたときは、必要な措置を講ずるとともに、速やかに関係行政機関に連絡して、適当な措置を講ずべきことを要請するものとする。

第4章 河川浄化対策等推進本部等

(河川浄化等対策推進本部の設置)

第15条 町に、第1条の目標を達成を推進するため、河川浄化等対策推進本部を置く。

(河川浄化等推進員の設置)

第16条 町は、社会的信望があり、かつ、第1条の目標の達成の推進に熱意と識見を有する者のうちから河川浄化等推進員を委嘱し、第1条の目標の達成に当たらせることができる。

第5章 雑則

(関係機関等との連携等)

第17条 町は、第1条の目標を達成するため、関係地方公共団体と連携して必要な施策を講ずるほか、必要に応じて関係行政機関に協力の要請をするものとする。

(啓発活動)

第18条 町は、あらゆる機会を通じて、河川に関する知識の普及及び意識の高揚を図るため、啓発に努めるものとする。

2 町は、前項の啓発を効果的に行うため、毎年、河川愛護月間を設ける。

(法令の遵守義務)

第19条 町民及び事業者は、河川汚濁の防止に関する法令を遵守しなければならない。

(表彰等)

第20条 町は、第1条の目標の達成に著しく功労のあった者を表彰し、又は同条の目標の達成に寄与する活動を支援し、若しくは奨励することができる。

(助言又は指導)

第21条 町は、事業者が行う河川の汚濁防止のための施策の整備について、助言又は指導を行うことができる。

(委任)

第22条 この条例の施行について、必要な事項は、町長が別に定める。

この条例は、平成6年7月1日から施行する。

高原町河川愛護条例

平成6年4月1日 条例第12号

(平成6年4月1日施行)