2017年12月08日

霧島山のふもとで米作りをされている温谷(ぬくたに)農園では、24年にわたり合鴨農法を実践しています。農園を営む温谷文雄さんご夫妻に、合鴨農法の良いところや、合鴨を活かすための工夫などをうかがいました。
温谷さんは、霧島から湧き出た清らかな水を活かし、合鴨農法で米作りをされています。

「合鴨農法での米作りを始めて24年になります。当時、新聞で合鴨農法を知って、うちでもやってみようと取り組み始めました。」

以前は農薬を使用していた温谷さんですが、合鴨農法に切り替えてからはまったく使っていないのだそう。
「合鴨農法を始めてから、もう農薬は使わないと決めました。それ以来ずっと無農薬でお米を作っています。化学肥料も入れてないですね。」
化学肥料を入れない代わりに、温谷さんの田んぼには、米ぬかや油粕、養鶏のふんを焼いたものなど、有機肥料を使っています。
合鴨農法が米作りに向いている点をお聞きしました。
「一番は、合鴨がしっかりと草取り・虫取りをしてくれることですね。稲刈りのあと田んぼを見ると、雑草がなくてきれいなもんです。稲刈りのお手伝いに来てくださる方もびっくりされますよ。」

無農薬での米作りは、雑草や虫との戦いとなります。この一番大変な部分を合鴨たちが担ってくれるため、人の手間は最小限で済むそうです。
「合鴨が虫を落とそうと稲の茎をつつくんですが、それで茎が鍛えられて倒伏(とうふく)しにくくなるんです。」
倒伏とは、稲穂が倒れてしまうこと。宮崎は台風がよく襲来するなど、自然災害の影響も多い場所なのですが、合鴨のおかげで強い風でも稲が倒れることは少ないそうです。
「それに合鴨が茎をつつくことで、それが刺激になって稲の株も増えるんですよ。慣行栽培のものより株は多いですね。」
株の数を増やすのは、人力ではなかなか難しいもの。こうした“合鴨ならではの効果”がたくさんあります。
その他、あぜなどに穴をあけるもぐらは、農業においては天敵ですが、合鴨が田んぼにいて振動させることで、もぐらも来なくなるんだとか。
温谷さんは、合鴨農法を活かすために手間ひまかけて管理しています。
「まずは合鴨が逃げてしまわないよう、田んぼに柵を立てます。これが結構大変ですね。うちは1町2反の田んぼ面積があるんだけど、柵を立ててネットを張ると1反で3時間はかかるんです。農薬を同じ面積使おうと思えば、その作業はたった10分ですから、手間はかかっています。」
1町2反はおよそ120アールなので、相当な広さです!この面積の柵立てとネット張りを行い、合鴨が逃げたり外敵から襲われないよう対策をします。

(写真は温谷さんが栽培している金柑畑のネットですが、こうした外敵から合鴨を守る工夫をされています。)
合鴨農法では、稲の生育に合わせてちょうどいいサイズの合鴨を田んぼへ入れるのが重要なのだそう。
「田植えと同時に孵化(ふか)するくらいの合鴨がちょうどいいんです。大きすぎると稲を踏んでしまうし、小さすぎるとひえなど雑草が伸びきってしまって。本当によく働くんですよ。草も虫もきれいに取ってくれます。」
今年は近隣の保育園児が、「頑張ってねー」と声をかけながら田んぼに小さな合鴨を放してくれたそう。
「生き物がいるというのは、とても癒されますね。」とうれしそうに話す温谷さんの笑顔が印象的でした。
8月末に稲穂が出始めると、合鴨のお仕事場は田んぼから畑へと変わります。
「うちは金柑も作っていて、稲穂が出たらそちらに移動するんです。こっちも草取りを頑張ってくれますよ。」

そう話しながら金柑の畑も案内してくださいましたが、土がふかふかで雑草がまったくなくて驚き!こちらも田んぼと同じく、合鴨たちが雑草をきれいに取ってくれるそうです。

-お米作りで大切にしていることは何でしょうか?
「少しでも環境のことを考えて、かけがえのない地球を少しでも汚さないことですね。高原は水がとてもきれいだから、それを活かしたいと思っています。合鴨農法の米作りは大変だけど、今後も続けていきたいですね。」
慣行栽培に比べ、手間がかかる合鴨農法で育てられたお米。24年にも渡り、合鴨を保護する柵や、お米栽培後の活用など、合鴨のよさを最大限活かせるようさまざまな工夫を重ねてきました。
霧島から湧き出る良質な水を守りながら、合鴨とともに大切に育てられた温谷農園のお米は、現在ふるさと納税でお取り扱いがあります。無農薬・無化学肥料で栽培された、貴重な合鴨農法のお米をぜひ味わってみてください。
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(インタビュアー・文:北原 優美/ライター)