御田植祭
期間
毎年5月16日
(狭野の棒踊り)
狭野神社の御田植祭は、毎年5月16日に行われる狭野神社の春の祭です。 以前は神社近くの神田で、早乙女による田植えが行われていましたが、現在では、神事の後に、地元の狭野地区の「棒踊り」と「奴踊り」が奉納されるのみとなっています。
午前10時頃から神事が始まり、その後社殿横の広場で棒踊り、続いて奴踊りが奉納されます。棒・奴踊り共に、社殿の他、狭野神社東側の猿田彦神社・旧神徳院仁王像前・旧神田前、近隣の田の神の前で踊るのが習わしとなっているようです。
以前は、御田植祭に奉納する棒踊りの団体数も多かったのですが、現在は狭野地区のみが奉納しています。
狭野棒踊りは、カマンテ(薙刀と鎌)・イズリン(六尺棒と小太刀)の2種類あります。共に4人1組。鎌は鎖鎌を想定しているという伝承があるためか、刀身部の棟側を穿孔し、飾り紐を付けています。狭野の他には、狭野と同じ採り物の蒲牟田、六角棒が主体の花堂・小塚、三尺・六尺棒が主体の広原で伝承されています。
奴踊りは、高原町では狭野にのみ伝承されています。以前は男性が踊っていましたが、現在は地区の婦人層で伝承されています。歌は3つあり、「琉球おろし」はこの近辺でよく登場する歌、「真実一路」は歌舞伎役者の市川団十郎を、「昔からの」は仮名手本忠臣蔵の一部を指しているものと思われます。
※令和6年度は、定日の5月16日(木)に開催されます。
「狭野棒踊りの歌」
デハ
今こそ参る 神のみまえに
- モトアゲ
神のお庭のなんてんじくよ(現在唄わず)
ホンウタ
- おせろが山で前はだいかわ
- ひとえだ折ればやえだ栄える
- 霧島松は黄金花さす
- 山太郎ガネは川の瀬に住む
- 焼け野のきじは山の背に住む
- アガリ(退場)
あがいとの風はそよほけの花
「狭野奴踊りの歌」
「真実一路」
- 真実一路はだんりゅうの(団十郎)
- あたる役者の お器量よし
- あくはりんりんつがた
- 女形にもようかんべ
- じつよかあんべ
- よかんべ男にほれるなら
- もめおにゃひがの子べにがの子
- いかなしゃんしゃんしゃまなら
- よもやいやとはおしゃらんべ
- じつよかあんべ
「昔からの(仮名手本忠臣蔵のお軽勘平)」
- 昔からのかん平(勘平)は
- 妻のお軽を引き連れて
- そこで揚屋(あげや)に売られたり
- その金受け取るよいちめい(与市兵衛)
- 帰る途中でさだくろ(定九郎)が
- その金渡さにゃ殺したる
- もののあわれはよいちめい